和漢薬膳で整える!「気・血・水」のバランスタイプとは?

 こんにちは、わかです!

 前回は、和漢薬膳をおすすめする3つの理由を説明しましたね。
 今日は和漢薬膳の「薬膳」の部分を解説したいと思います。

 薬膳は、体質に合った食事により身体のバランスを整えることで健康維持と病気の予防を目指しますが、そもそも体質にはどんなタイプがあるのか、またバランスが崩れるとどのような状態になるのか、東洋医学の基本である「けつすい」の要素の説明を交えて解説します。

 少しとっつきにくい印象があるかと思いますが、1つ1つはシンプルですし、順番に解説するので大丈夫です!さっそくみていきましょう。

健康の目安となる「気・血・水」とは

 東洋医学では、「気・血・水」の3つが人の体の働きを維持していると考えます。
そして、どれかの要素が不足したり、滞ったりすると体内のバランスが崩れ、体調不良に繋がると考えます。

 薬膳は、「気・血・水」のバランスを調整するための手法なのです。

:「」は、生命のエネルギーそのものです。精神状態に強く影響します。

:「けつ」は、文字の通り身体を流れる血液のことです。

:「すい」は、血液を除いた体内の水分のことです。

これら3つの要素に関する不調について、順番に見ていきましょう。

「気」が原因で起こる不調

 気とは目には見えない生命エネルギーそのものを指します。
気が抜ける、気落ちするなんて言葉もありますが、どれも気が不足してエネルギーが足りない状態のことですね。
 気が原因の不調のタイプには、以下の2つがあります。

気が不足して元気が出ない、「気虚」

 東洋医学では、気が不足した状態を「気虚ききょ」といい、倦怠感やだるさ、動悸や息苦しさの原因と考えられています。
 話し声が小さい人や、風邪を引きやすい人も、気虚のタイプが多いです。

気の巡りが停滞してなんだかイライラ、「気滞」

 気が滞った状態を、「気滞きたい」といいます。
 体が重く感じたり、イライラ怒りっぽくなったり、のどやみぞおちに、何かつかえたような違和感を感じたりします。
 また、ゲップや吐き気など気が逆流することは「気逆」といい、これも気滞の1つです。

「血」が原因となって起こる不調

 東洋医学の「血」とは、血液そのものだけではありません。
 全身に淀みなく流れて栄養を運ぶ、血流の状態を良くすることが重要であると考えるのです。
 血が原因の不調のタイプには、以下の2つがあります。

血が不足している状態である「血虚」

 血が不足した状態を「血虚けっきょ」といいます。
 一番わかりやすいのは立ちくらみやめまいを伴う貧血ですが、肌に潤いがなくなる、髪が細く抜けやすくなる、目がかすむなども血虚のタイプの人に多く見られる症状です。
 特に女性は月経による出血があるため、血が不足し血虚タイプになりがちです。

血の巡りが滞り隅々まで栄養が届かない「血瘀(瘀血)」

 血が滞った状態のことを、「血瘀けつお」または「瘀血おけつ」といいます。
 血液の巡りが悪くなると、
 ストレスや不規則な生活、無理なダイエットによる栄養不足が原因で起こりやすく、頭痛や月経痛がでたり、唇や下が青紫になったり、体が冷えやすくなったりします。

「水」が原因となって起こる不調

 東洋医学で「すい」は「津液しんえき」ともいい、飲食物に含まれる水分から身体に必要な形に変えて吸収された、体液のことをいいます。
 水(津液)は唾液などの素であり、皮膚や粘膜を潤すものですが、その性質上、体の中で溜まりやすくむくみやだるさの原因にもなります。

かさつきや、乾きが起こる「津液虚」

 「津液虚しんえききょ」とは、「水」が不足した状態を差し、過労やストレス、睡眠不足が原因で起こりやすくなります。
 皮膚のかさつきや喉の渇きのほか、乾いた咳や手足の火照りといった症状も現れます。

体に溜まる、滞った水による「水毒」

 体内で滞った水を「水毒すいどく」といい、皮膚や腸にたまる水は、体のだるさやむくみ、アレルギー性鼻炎、冷え性、また梅雨時や雨の日の体調不良の原因ともされています。

まとめ

 以上、「気・血・水き けつ すい」の3つの要素とそれぞれのバランスが崩れた状態を表す体質タイプについて解説しました。
 自分の体質や体調の悩みに近いものはありましたか?

 薬膳にとって、タイプ別の対策を打つために自分の体質を知ることはとても重要です。
 次回はいよいよ、和漢薬膳に使う食材と効果の解説です。
 自分の体質を把握して、タイプ別に取り入れたい和漢食材について学んでいきましょう!

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